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Stage5-2 悪魔討伐編 禁足地

ご愛読ありがとうございます!

Stage5悪魔討伐編 第一弾の舞台は沖縄です!

禁足地や神隠しの話は皆さんも聞いた事ありますよね?

最後まで楽しんで頂けるような物語をご用意してますので、よろしくお願いします!


ユウヤとなんくる・ないさーは傷だらけの身体で空を見上げていた。

「…流石、噂になるだけの強さですね。」

「ハハッ…こんな立てなくなるまで闘ったのはいつぶりだろうな。」

二人は拳を交わし合う。

俺は辛うじて立ってはいるが、二人の闘いについて行くのがやっとだった。

ユウヤは三人に回復魔法をかけた。

「ヒーリング。」

三人の傷は癒え、体力も全回復する。

「おぉ、この回復力!やはり大した奴だ!」

なんくる・ないさーは俺達に手を差し出した。

「改めて、なんくる・ないさーだ。なんくるって呼んでくれ。ナックル使いの武闘家だ。よろしく!」

俺達は交互に「よろしく。」と自己紹介をしつつ握手を交わした。

「ところで沖縄には何の用だ?」

「…実は。」

俺はこれまでの経緯をなんくるに話した。


「なるほど、それは大変だったな。一先ず俺の村へ案内するよ。腹も減ったろ?」

俺とユウヤは高速に首を縦に振った。

海辺を抜けると狭い道は広範囲のススキで囲われていた。

「なんくるは何故武闘家に?」

無言の時間が気まづく、俺は唐突に話を振った。

「俺は力が強くてな、基本的な武器は使えないんだ。始めはソードマスターとか憧れていたんだが…握っただけで剣が変形しちまった。」


どんな握力してんだ。


「だが、このナックルだけは俺の力に耐えてくれる。そして、力を増強してくれるのさ!」

「他に何か得意技とかないのか?」

なんくるはニヤリと笑い、俺に「しゃがめ」とだけ言って距離を取った。

するとポケットから黒くて丸い何かを取り出した。

そして、謎の構えを取りながら「取れよー!」とだけ言ってくる。

なんくるは黒くて丸い物をしゃがんでいる俺に向かって投げる。

そして、黒くて丸い物は不規則な変化を起こした。

「こ、これは……フガァッ!!!!!!!」

黒くて丸い物は、俺の持つ金色の丸い物に直撃した。

「…ナックルボールだ。確かにそれだけの握力があるなら…。」

ユウヤはなんくるの変化球に驚いていた。

「俺をただのナックル使いだと思っちゃいけないぜ!」


それは得意技じゃなくてただの特技だろ…。


なんくるは俺に肩を貸してくれた。

「ハハッ!まあ悪かったよ!半分冗談だ!」

「全部冗談であれよ。」

お腹を押さえ、支えられながらなんくるの村へと向かった。


到着した村は、琉球村と言うらしい。

元々有名な観光地とも知られ、伝統的な古民家が複数ある。

その古民家を石垣で囲っており、シーサーも置物として置いてあったりする。

『はぁ〜イヤイヤサッサー!アイヤイヤサーサー!』と悪魔に支配されているにも関わらず、明るい声がエイサー太鼓と共に響き渡っている。

村の中へ入って行くと村人達が歌いながら踊っている。

「な、なんで歌って踊ってるんだ?」

ブスッ

「いやあああああああああああああああッ!」

無知な俺にユウヤが釘を刺す。

「失礼な事言うなよ。悪魔なんかに負けまいと有名なエイサー音頭、歌と踊りで闘っているんじゃないか。」

「本当に釘を刺す馬鹿がどこにいるんやぁッ!見てみろこれ!出血だよ!出血大サービスですわ!」

「ププッ…流血王国。」


何にも上手くねぇよ。


「ユウヤの言うように、俺達は悪魔には負けねぇのさ!なぁ皆ッ!!!」


『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!!!』


熱い、熱すぎる。


村の外れを見ると【これより先の立ち入りを禁じます】と赤色の看板が設置されている。

俺はなんくるに尋ねてみた。

「なぁなんくる。あの奥って何があるんだ?」

「…あそこは絶対に近づくな。死ぬぞ。」

今までの明るい表情が突如険しくなり、村人達さえ音頭を止めてこちらを見つめてきた。

恐怖の沈黙と目線に耐え切れなかった俺は、焦りながらも言い訳をした。

「あ、いや、違うんです。何かなーと思っただけで…近付こうとか思ってるわけじゃないんです。」

しばらく沈黙が続いた後、なんくるが俺に近づいて来た。

「なぁんだ、びっくりするじゃないか!知らなかったなら仕方ないな!あそこには絶対近づくな!」

本当の意味で釘を刺された後、ユウヤが耳元で囁く。

「…場所を変えよう。」

なんくるにトイレと告げた俺達は、村の入口まで戻る。


「…なんだよ。」

「禁足地って知ってるか?」

ユウヤは海を眺めながら語り始める。

「…まあ聞いた事あるけど、それが何?」

「禁足地っていうのは人が絶対踏み入ってはいけない神聖な領域の事。意外にも日本には禁足地と言われている場所が多いんだ。北海道や東京に千葉、和歌山、長崎、そしてここ沖縄など。その中でも【入ったら二度と帰って来れない】と言われている場所だってあるんだ。」

息を呑むような話題に言葉も出なかった。

「神隠しって聞いた事あるよね?有名な伝承話だけど、実際に姿を消した人だっているんだ。そんな危険な所、誰だって止めるよね。」

「…別に入りやしないよ。何をそんなに気にしてるのさ。」

俺はユウヤが何を言いたいのかいまいち分からなかった。

「だけどさ、こうも取れるんだよ。禁足地って言って、何か隠しているものがそこにはあるとかね。」

「…というと?」

「さぁ?…でも、一つ言えるのは。」

ユウヤが振り返り、村を眺める。

「この琉球村、かつては有名な沖縄の観光地だったけど、禁足地と言われている場所はそもそも無いのさ。」

「という事は、あそこには何かある。」

「…調べてみる価値はあるよね。」


日も落ち、松明によって村は照らされ始める。

この謎多き村で、俺達は深夜を待つのだった。


次回

Stage5-3 悪魔討伐編

神か悪魔か。


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