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Stage5-1 悪魔討伐編 なんくるないさー

Stage5!いよいよ始まります!

悪魔討伐編は長編の予定です!

楽しんで読んでください!

俺は、与那国島周囲に海水が戻っている事に気が付いた。

二年前まではここも干からびて、船も落下していたっけ。

「さぁ、沖縄に行こう!」

「船もないのにどうやって?…てか何、そのハイビスカスのシャツ。なんで乳首隠してんの?チクビスカスですか?」

与那国島から沖縄本島まで約500キロメートル。

チクビスカスのTシャツを着ている翼の折れたエンジェルは、今日も絶好調であった。

二年前まではこんなふざけたキャラじゃなかったのに、いつの間にか〜隙間空いた〜のかな?

「いつの間にか〜隙間空いた〜♪」

「心の中で歌ったからもうダメだって!」


「よしっ!各々で渡ろう!」

「君さ、自分を浮かせて渡ろうとか考えてます?させませんけど?翼の折れたエンジェルに大して無礼すぎませんか?」

「自分で翼の折れたエンジェル言うなしw」


「…ということで筏を作ってみました。」

YouTuberのように筏の前でポーズを取っている。

「…サムネいらんて。」


このようにお互いふざけ合える関係になったのも、二年間地球の底で協力し合ってきたお陰だろうか。

だが、もはやこのユウヤという元天使。

翼が無ければもはや無能なのでは無いかと思い始めている。

元々この小説シリアスファンタジーという形だったのに、どうも最近本音が漏れてしまう。

シリアスファンタジーからお笑いファンタジーに変わりつつあるのは、少なからずこの翼の折れたエンジェルが原因なのではないだろうか。

そう考えていると俺達を乗せた筏は沖縄本島へと流れていく。

「なぁ、翼の折れたエンジェル。」

「名前みたいに呼ばないでください。それ一応職業なんで。」

「…お前ちょっと老けた?」

「天使は老けねぇってばよ。」

てばよ?

「…これ沖縄着けるのか?」

「大丈夫だってばよ!」


あーダメ!だってばよは絶対ダメ!

筏乗ってるから?あー昔そんなシーンもあったな!


「一人称を僕から私に変えたら少しは大人っぽくなりますかね?」

「何急に?知らん。」


くだらない事を言い合っている内に本当に沖縄本島まで辿り着いた。

海辺で筏から降りると所々にウニが転がっている。

「痛っだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁいッ!!!」

無敵の元天使様がウニを踏んで悶絶している。

ユウヤの姿に笑っていると砂浜に大きな黒い影が見えた。

「…ユウヤ、あれなんだ?」

「…あれは。」

そう、まだ砂浜まで少し距離があるが間違いなくウニであった。

俺達は足元のウニに注意しつつ砂浜へと近付いた。

徐々に大きくなるウニを見て、途中で足を止めてしまった。

「…なぁユウヤ。」

「…なんですか?アルミ。」

「…デカすぎやしないかい?」

「えぇ、特大ボーナスですね。」

簡単に説明すると、縦横共に5メートルはある。

魔物という事は間違いないだろう。

「ぴぎぇぇぇぇぇぇえええええぇいッ!」

特大ウニは言葉にするのは難しい程の奇声をあげたのだ。

「どっから鳴いてんねん!」

奇声をあげた後、全ての針を空に放った。

俺達は逃げる事しか出来なかった。

逃げている内に一本、二本…と針は二人を襲った。

逃げている途中ふと後ろを振り返ると俺はあることに気付いた。

ある程度距離が取れた時、俺はユウヤに声をかけた。

「ユウヤ!あのデカウニを見てみろ!」

「ハァハァ…へ?何ですか?」

ユウヤが振り返るとそこには針の跡だらけになっているウニの姿があった。

「きんもぉおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」

そう、集合体恐怖症であった。

鳥肌のたったユウヤは頭上に特大の剣を繰り出した。

剣は光り輝き、黄金色のオーラに包まれている。

「聖剣!エクスカリバーッ!」

特大の剣、エクスカリバーは特大ウニを貫通した。

「ぴぎぇぇぇぇぇぇぇぇええええええぇいッ!!!」

特大ウニは奇声と共に倒れたが、聖剣エクスカリバーはブーメランのように再び特大ウニへと向かっている。

「分裂!エクスカリバーッ!」

十本に分裂した小型のエクスカリバーは、息絶えた特大ウニを再び攻撃した。

殻は粉々になり、生殖巣すら跡形もなく消し去ってしまった。

「…あぁ、食べれたかもしれないのに。」

俺は膝から崩れ落ち、落胆した。


「そいつはガゼって言うんだ。食べられやしないぜ。」


砂浜の奥に石のトンネルがあるのだが、そこからガタイのいい男がこちらに歩み寄ってきた。

男は赤色の短髪に赤色の服を着ている。

何故、下だけ短パンジャージなのかはあえて触れないでおこう。

「ガゼを倒すとは、お前ら中々やるな!」

「あなたは?」

ユウヤは身構え、警戒しながら聞き返した。

「そんな警戒しなくてもいいぜ!俺はこの村の武闘家だ!悪魔から村を守ってる。砂浜から騒音が聞こえたんでな、様子を見に来たんだ。」

「それはすまなかった。村に被害はないか?」

俺は立ち上がって赤髪の男へ歩み寄った。

「あぁ大丈夫だ!むしろガゼを倒してくれてありがとうな!あいつは魔物だが、デカすぎる故に少々面倒でな。」

ユウヤが身構えるのを止め、赤髪の男に歩み寄る。

「…武闘家と言ってましたが、噂のナックル使いというのはあなたですか?」

赤髪の男は唖然としていたが、高らかに笑い始めた。

「いやいや、まさか俺がそんな有名になってるとは!この辺じゃナックル使いは俺だけだ。」

赤髪の男はナックルを手に装着させ、俺達から距離をとった。

「俺は、ナックル使いの武闘家。名をなんくる・ないさー。」

安易すぎな名前である。

もう少し良い名前は無かったのだろうか。

それになんくるとナックルって韻を踏んでるのか偶然なのか…。

すると、赤髪の男は手を構えて戦闘態勢になった。

「ガゼを倒した力、手合わせ願いたい。」

俺とユウヤも戦闘態勢に入った。

俺はサイキッカーの為後衛、ユウヤは刀を構えて前衛へ。

そして、ユウヤとなんくる・ないさーはほぼ同時に走り出した。

刀とナックルがぶつかり合い、二人は互いの力に弾き飛ばされる。

「…まだまだ!」

「これからだぜ!」


三人の闘いはしばらく続いたのだった…。

次回 Stage5-2 悪魔討伐編

禁足地

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