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Stage12-13 空への手紙


「…先輩。」

これは告白だと踏んだ俺の心臓は今にも張り裂けそうになっていた。

「な、何かな?」

「…これ見てください。」

そう言って差し出したのは、一通のメールだった。

「…【株式会社 エボリューションR】?」

聞いたことも無い会社名であった。

「それで、この会社がどうかしたの?」

「結論を言いますと、この会社が発売する新作ゲームの最強パーティとして招待されたんです。」

「おぉ!凄いじゃん!」

「問題はここからなんです。」

そう言って【株式会社 エボリューションR】からのメールの内容を確認した。


『前原和葉様、突然のご連絡大変申し訳ありません。この度、株式会社エボリューションRは、新作ゲームを発売する事になりました。そのゲームの名は【Monsters World Onlineモンスターズ・ワールド・オンライン】、略してM.W.Oです。そのゲームには伝説の最強チームという枠を設けているのですが、そのチームのメンバーとして、前原和葉さんも参加しては頂けませんか?尚、有海浩太ありうみ こうた沖田大翔おきた だいと沖田彩香おきた さやか溝田優希みぞた ゆうき早見はやみ かなでこの五人にもお声掛け頂きたい。全員の承諾を得たら、下記の連絡先へご連絡をお願いします。 By皆様を良く知る者より。』


「…先輩、これパワフルVの。」

「間違いない、寺門一茶だ。」

「…どうします?私これ夕方に届いて。どうすべきなのかなって皆さんに相談したくて。」

「…皆さん?」

振り返るとそこには、メールで書かれたメンバー達が何故か気まづそうに立っていた。


「…よ、よぉ。」

大翔までもが何故か気まづそうであった。恐らく俺の表情を見て察したのだろう、デートに誘われたと勘違いしたんだなと。

俺は必死に涙を堪えた。


「…で?皆はどうするんだ?行くのか?」

俺が全員に確認を取ると、どうやら悩んでいる様子だった。

「…現に最初は各々命掛かってましたしね。実際終わったらそうではなかったにしろ、誘拐まで起きてますからね。治安の良いゲームとは言えないでしょうね。」

優希が正論を語ると、全員が静かに頷きで答えていた。それも決して間違いではない、むしろ正しいとまで思う。

「…俺は行ってみようと思ってる。」

俺の言葉に即座に反応したのは、さーたーこと早見 奏であった。

「何でですか?何のメリットも無いと思いますけど。」

「…ゲームにメリットデメリット求めてやる奴いるか?俺は別に【今あり】の世界もそこまで嫌じゃなかった。勿論、命が掛かっていると脅していたのも事実。でも今こうして生きてる。ゲームが好きだって今でも言える。そう思えるだけで行く価値はあるんじゃないかな。」

一瞬の沈黙が流れるも、大翔が腹を抱えて笑い始めた。

「それでこそアルミだよ!お前には敵わん…俺も着いていくぜ!ナックル使いの底力見せてやる!」

「お兄ちゃんが行くなら、私も着いてくよ!素敵な昆虫達と出会えるかしら?」

「先輩と長いこと旅してましたけど、悪くなかったですよ。また天使になって助けてあげますよ。」

「私も先輩と…お兄ちゃんとゲームできて嬉しいです!勿論、参加します!」

四人が笑顔で答える中、早見 奏だけは暗い表情でいた。俺が近付くと涙目を浮かべていた。

「…止めたとしても行くのでしょう?お互いの願望を叶えるには、私が折れて着いていくしかないみたいです。私だって皆とゲーム出来て楽しい、だからこそ皆を守りたい。そのために、私も参加します。」


『六名全員参加の確認取れました。』

「送信ッ!!!!!!」

一つのスマホを片手に、聖なる夜の空へメールを放った。

この一通のメールが、後に壮大な物語に繋がる。彼等がそれを知るのはずっと後の話。


そしてまた、もう一つ別の物語が始まるのであった。


次回いよいよ最終回です!

最終回もお楽しみに!

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