Stage12-10 魔王
魔王が現れた。
「…この世界を…頂く…貴様ら…殺す…。」
「これはもうハンモクの言葉ではありません!魔王そのものです!」
「お前ら!絶対死ぬんじゃねぇぞ!」
バレットの攻撃!神防壁!全員の目の前にバリアが張られた。
アルミの攻撃!癒しの森!全員の足元に根が生えた。毎ターン少しだけ回復する。
アレクの攻撃!神獣の微笑み!アルミの全ての能力が底上げされた。
魔王の攻撃!闇炎!全員に1246ダメージ。
アルミはバリアに守られた。
バレットはバリアに守られた。
アレクはバリアに守られた。
バレットの攻撃!神防壁!全員の目の前にバリアが張られた。
アルミの攻撃!全身の力を右足に集中!
アレクの攻撃!時の空間!3ターンの間、力を溜める攻撃は1ターン分、時間短縮出来るようになった。
魔王の攻撃!大津波!全員に1125ダメージ。
アルミはバリアに守られた。
バレットはバリアに守られた。
アレクはバリアに守られた。
バレットの攻撃!神防壁!全員の目の前にバリアが張られた。
アルミの攻撃!ラスト・リゾート!魔王に2835ダメージ!
アレクの攻撃!ミラージュ・インパクト!アレクは魔王の攻撃を待っている。
魔王の攻撃!闇の大災害!全員に2107ダメージ!
アルミはバリアに守られた。
バレットはバリアに守られた。
アレクはバリアに守られた。
そして、アレクは魔王から受けた攻撃を跳ね返した。魔王に2107ダメージ!
「…これほどまでに…この世界の者は…力があるのか…。」
「ゲーマー舐めんじゃねぇぞ。」
バレットの攻撃!超防壁!全員の目の前にバリアが張られた。
アルミの攻撃!全身の力を右足に集中!ラスト・リゾート!魔王に3105ダメージ!
アレクの攻撃!シャイニング・スター!一筋の光は魔王の特性を元に戻し、闇を払った!
「…こんなはず…俺は…魔王…。」
「いいえ、貴方は魔王なんかじゃない。」
「お前は所詮パチモンなんだよ。」
「…ハンモク…もう終わりにしよう。」
魔王の攻撃!大雷撃!全員に2145ダメージ。
アルミはバリアに守られた。
バレットはバリアに守られた。
アレクはバリアに守られた。
アルミの攻撃!全身の力を右足に集中!ラスト・リゾート!魔王に3563ダメージ!
「…ここまでか。」
魔王をやっつけた。
魔王は姿を消し、中からハンモクが出てきた。しかし、何度声を掛けても意識は無かった。次第にハンモクは光となって姿を消した。
ハンモクが消えると、そこには魔王石と炎の欠片が落ちていた。
アルミは魔王石をアレクに渡し、炎の欠片を手に入れた。
「…これで良かったのだろうか。」
俺は独り言のように呟いた。それが聞こえていたのかアレクが近付いて来た。
「魔王石を手に入れてしまった以上、こうするしかないのです。今回のケースは、一番最悪な悪用でした。今後似たような事が起きても大変ですし、我々はこのゲームを廃止しなくてはいけませんね。」
「そこまでする必要あるのかよ!」
アレクの言葉にバレットは食い気味でツッコミを入れた。
「当たり前です、被害者が出ているんですよ。それに今回の件は警察にも介入して貰わなければいけません。それが今の我々に出来る最低限の誠意です。最悪会社も倒産ですかね。」
「…しかも就職先探さないといけねぇのかよ。」
「それは私も全力でサポートしますから。アルミ君もここまで本当にありがとう。」
アレクとバレットは深く頭を下げた。
「気にしないでください。俺はただゲームが好きなだけなんですから。」
仁さんの事を全く気にしていないと言えば嘘になる。しかし、これも一つの結末なのだと受け入れるしかなかった。だが、これで若林初佳の意識も戻るだろう。
俺はライトをお姫様抱っこで抱えた。
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッ!!!』
「まずいっ!噴火だっ!」
「逃げるぞっ!」
アレクは光線となり、バレットは空歩で脱出した。俺は自身にサイコキネシスを掛け、ライトを抱えたまま火山から脱出した。
火山近くの空で勢いよく噴き出した溶岩を眺めていると、火山の中から何かの鳴き声が轟いた。
「…何の鳴き声だ?」
「…これはまたまずいことになりましたね。」
すると、先程手に入れた炎の欠片が、俺の胸ポケットで光り輝いていた。
ライトをアレクに抱えてもらい、胸ポケットから炎の欠片を取り出すと、炎の欠片は火山へと向かって赤い光線を放った。その光が火山の中へと入った数秒後、再び何かの鳴き声が轟いたのだ。
「…何か来ます!」
火山の中から現れたのは、真紅の眼を光らせ、黒い胴体に紅い羽根を生やした大怪鳥だった。そんな大怪鳥の周囲には黒い影が漂っていた。
「…これが火山に眠る主の正体なのか。」
「特定の条件を満たした時のみ現れる裏ボス。火山に眠る幻影の大怪鳥、レッド・ファントム。」
レッド・ファントムは物凄いスピードで羽根を広げ、こちらへと向かって来た。各々が戦闘態勢に入るも、レッド・ファントムは目の前で止まった。
『…我を起こしたのは貴様らか?』
レッド・ファントムは、鋭い眼光を向け、低音の声を発したのだった。
次回もお楽しみに!