Stage12-8 火山内部と黒幕、人質の行方
突如刺した一筋の光は曇天を快晴へと変えた。
溶岩の表面は固まるも、そのまま灰となり風と共に消え去った。
「なんだったんだ…。」
「バレットさん、あれ!」
火山口から登って来たのは、なんとアレクだったのだ。
「アレク!?何でお前がここに!」
「何でって、言ったでしょ。時間が出来たらヘルプに行くって。」
「てことは今の光…。」
「そう、私が地震と噴火を止め、空に光を取り戻したのさ!」
アレクは自慢話を流暢に話し、高らかに笑った。
悔しそうにしているバレットを見て、俺はフォローを入れる事にした。
「俺はバレットさんにもアレクにも助けられた。本当にありがとう。」
俺の言葉にバレットさんは照れ臭そうにしていた。
こうして、俺達はアレクの案内の元、火山口の内部へと潜入した。狭い道を進み続け、道が無くなる手前で小さな洞窟の入口が出現した。
「これで全てが終わるんですね…恐らく犯人も人質もこの中にいるのでしょう。」
アレクの言葉に反応を示し、そのまま内部へ足を進めた。
「まさか、最終決戦のチームがこの三人になるとはな。」
「このゲームをやり始めた時は予想できませんでしたね。」
バレットと会話をしていると、すぐに洞窟の出口らしき所が見えてきた。
しかし、洞窟は続いており、すぐに下へ降りる階段が出現した。そのまま下へと進み、最深部まで行くと洞窟の出口が見えてきた。
洞窟を出るとそこは溶岩が広がっており、グツグツと聴くだけでも熱いと分かる音を立ててている。そんな溶岩の上には、足場となる岩が設置されている。俺達はその岩を渡った。
「かなり狭いですから落ちないように!」
「落ちたら即死ってか?」
岩場を渡り続けていると中心に広い岩場が見えてきた。そこには闇に包まれた球体が存在していた。恐らくそこが最終決戦の舞台なのだと確信した。
「これは何でしょうね?」
「下手に触れない方がいいぜ。」
「ですね、とりあえず攻撃してみましょうか。」
謎の球体が現れた。どうする?
バレットの攻撃!超神足!謎の球体に927ダメージ。
アルミの攻撃!全身の力を右足に集中!
アレクの攻撃!天使の怒り!謎の球体に1353ダメージ。
謎の球体は小刻みに震え出した。
「何だこいつ気持ち悪いな。」
バレットの攻撃!神速旋風!謎の球体に1073ダメージ。
アルミの攻撃!ラスト・リゾート!謎の球体に2503ダメージ。
謎の球体の様子がおかしい…。
「全員後方に下がりましょう!何か来ます!」
謎の球体の表面が剥がれ落ち、中から現れたのは女性を抱えた厳つい男だった。男は鉄の防具を纏い、黒いバンダナを付けている。俺達はこの男をよく知っている。
「…仁さん。」
「…。」
斑目 仁、プレイヤー名 ハンモク。わくわく大帝国の店長。
そして、抱えている女性はライト。
彼がライトを誘拐した犯人だった。
次回もお楽しみに!