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Stage12-4 光の島


吊り橋を渡り切ると、先程までの雪原は無くなり、島全体が直射日光で照らされている。

「暑ッ!」

「なんで寒さは丁度良くて、暑さはこんな暑いの!温度調節バグってるよ!」

「…天候変えましょか?」

俺とリズは声を揃えて「お願いしますッ!!」と懇願した。


「ウェザーチェンジ!」


さーたーが詠唱すると、先程までの暑さは無くなった。そして、心地良い風が吹き始め、桜が舞い散る。そう、これは春のような天候だ。

「…最高…でぇす。」

俺とリズは膝から崩れ落ちた。だらける様な体勢で右手の親指を上げて、さーたーに花丸を渡した。

さーたーは満更でも無い顔をしていた。


この島は入り組んだ道はなく、真っ直ぐ一本道のみどった。島の中心まで行くと、広場のような場所に出た。

「…念の為、周囲を警戒しよう。」

全員が周りを見渡していると、目の前に天使が舞い降りてきた。翼を広げると、そこには見覚えのある金髪美少年の顔があった。

「…ユウヤ。」

「アルミ、良い機会だ。サシで勝負しないか?」

しかし、俺はユウヤの希望に答える気は無かった。

「お前と闘うメリットがない。」

「あるさ、実力の差が分かるだろ?」

「お前はユウヤじゃない。」

俺の言葉にユウヤは腹を抱えて笑った。

「頭どうかしちゃった?ユウヤだって。」

「見た目はな…隠しきれてないんだよ。お前俺と初めて会った時の事覚えているか?」

ユウヤは眉間に皺を寄せ、「はぁ?」と言いたげな顔をしていた。

「…あの時、扉からも漏れていたんだよ。有り得ないくらい強い殺気をな。闇のオーラも隠しきれていなかった。その場では特に気にもとめなかったが、漸く分かったよお前の正体が。」

「俺の正体?俺はユウヤ、翼の生えたエンジェルさ。アルミ、頭がおかしくなったのか?」

俺はユウヤに向けて、とある光魔法を放った。それは光属性には効かないのだが、闇属性になら効果抜群の技なのだ。

「真実の(しんじつのまなこ)ッ!」

手から放たれた光は、ユウヤの目を眩ませた。目を覆い隠しながら、悶え苦しんでいる。次第にそれは正体を明かした。天使の翼は悪魔の羽へと変わった。金髪ではなく、灰色の頭皮と身体。優しい目は、鋭く赤い眼へと変わる。そのおぞましい姿に、俺達はずっと騙されていたのだ。

「…悪魔族の血も流れているんだろう。お前の親は天使と悪魔。禁断の恋で結ばれた親の子だったんだ。ベースは天使だが、押さえきれない悪魔の姿が時々溢れ出てしまったのだろう?」

真実を突き付けられたユウヤは、気が狂ったように笑っていた。

「だから何だと言うのだ!これだけの力だ、俺様は市村なんかよりも強いぞ!」

「…目、覚まさせてやるよ。」


悪魔ユウヤが現れた、どうする?

悪魔ユウヤの攻撃、シザークロスッ!アルミに125ダメージ。

悪魔ユウヤの攻撃、ポイズンデビルッ!アルミに85ダメージ。アルミは毒に犯された。

アルミの攻撃、全身の力を右足に集中。


悪魔ユウヤの攻撃、悪魔の微笑み。アルミは麻痺になった。

悪魔ユウヤの攻撃、吸血地獄。アルミの周りに蝙蝠が飛び回る。

アルミの攻撃、ラストリゾートッ!悪魔ユウヤに587ダメージ。毒が掻き消された。麻痺が掻き消された。蝙蝠は消え去った。アルミの全能力が上がった。


「やるじゃないか!そうでなきゃ面白くないッ!」


悪魔ユウヤの攻撃、悪魔の微笑み。アルミは麻痺になった。

悪魔ユウヤの攻撃、シザークロスッ!アルミは123ダメージ。

アルミの攻撃、全身の力を右足に集中。


悪魔ユウヤの攻撃、ポイズンデビルッ!アルミに78のダメージ。アルミは毒に犯された。

悪魔ユウヤの攻撃、悪魔の斬撃!アルミに285ダメージ。

アルミの攻撃、ラストリゾートッ!悪魔ユウヤに765ダメージ。毒が掻き消された。麻痺が掻き消された。アルミの全の能力が上がった。


「…な、何故だ。お前にそんな力が…あるわけない…。」


悪魔ユウヤの攻撃、BAD DEVIL(バッドデビル)!アルミに52のダメージ。

アルミの攻撃、全身の力を右足に集中。

悪魔ユウヤの攻撃、悪魔の斬撃!アルミに107ダメージ。


アルミの攻撃、ラストリゾートッ!悪魔ユウヤに1265ダメージ。


「…あ…りえな…この俺様が…負けたのか?」


悪魔ユウヤをやっつけた。

レベルマックス、これ以上レベルは上がりません。

悪魔ユウヤは【悪魔の心】を落とした。

【悪魔の心】は、ユウヤの中に眠る悪魔の心そのもの。破壊してください。


ユウヤは意識を失っている。そして、全身から黒いモヤが剥がれ落ちていった。

「…ユウヤ、今助けてやるからな。」

俺は【悪魔の心】を破壊した。これでユウヤの中に眠る悪魔の心は消滅し、天使の心のみ残っている。

「アルミ、お疲れ様。まくとぅと同じく、まだ目覚めないだろうから先を急ぎましょう。」

俺達は広場を抜けて、再度一本道を進んだ。そして、奥に潜むボロボロの吊り橋を渡った。


吊り橋を渡っていると雷鳴が響き渡る。

次の島を眺めると、吊り橋からでも見える大きさで黄金の城が建っているのが分かった。

「…あそこにサン隊長がいるんだな。」

「先輩、急ぎましょう。」

「吊り橋を渡り切ったら回復魔法を掛けてあげるわ。」

天候が荒れる中、俺達は落ちないよう吊り橋を渡った。

次回もお楽しみに!

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