Stage11-13 五島列島
この島は、元々一つの島だった。全ての島が分離してからは、大きな岩場を渡るようになっている。砂漠島を超えれば、森の島、雪国島、光島、雷鳴島へと繋がっている。そして、最終ゴール地点が火山という訳だ。云わば長崎県にある、※五島列島のようなものだ。
※【五島列島】長崎県西部に位置する列島。九州本土の西に位置している。全域が旧松浦郡であり、北東側から中通島、若松島、奈留島、久賀島、福江島の5つの大きな島およびその周辺の小さな島々からなる。
俺とリズは、海賊船へと乗り込み、砂漠島から森の島へと向かっている。なんくるやレイラがいる可能性は低いが、他の仲間達がいる可能性もある。どちらにせよ、火山に辿り着く為には一つ一つ島を進むしか無いのだ。よって、森の島以降は永遠に徒歩が続く。
「…先輩…これもう森っていうかジャングルですね。」
森の島を目前にし、海の流れに沿って島へと入っていく。野生動物の鳴き声や奇声が響き渡り、リズの言うように森ではなくほぼジャングルであった。
「そんな事よりリズ。いつの間に武器と防具買ったんだ?」
リズはライトグリーンとホワイトの戦闘服を纏い、腰には双剣を差している。
「オアシス行く前に買いましたよ?」
「いつの間にだよ。てか金あったんだ。」
「そんな事より集中しましょう。いつどこから怪物が来るか分からないんですから。」
リズの言う事も一理あると、再度俺は周囲への警戒を固めた。
何事もなく進み続け、船を停めれそうな桟橋を見つけた。俺は船を操縦し、桟橋に合わせて船を停めた。
俺とリズは、必要アイテムや武器を見直し下船した。そして、ゆっくりとジャングル内に足を進めた。
途中、様々な生物が俺達を襲ったが、難なく撃退した。しかし、リズは疲れている様子だった。
「…もう嫌…さっきから虫と爬虫類の化け物ばっかり…気持ち悪いよぉ…。」
涙目になっている所を見るに、虫や爬虫類が苦手なようだ。
「そんなんで大丈夫か?まくとぅなんかに会ったら死んじゃうんじゃないのか?」
「正直苦手ですよぉ…。」
雑談をしながら道を進み続けるも、特別に何かが起こる事はなかった。道なりに進んでいると長い木製の吊り橋が見えてきた。木の板と木の板の間がかなり空いており、スリリングな体験が出来そうな吊り橋だ。
「…ここ渡るんですか?」
「渡らないと次の島行けないだろ?」
「…もしかして、島を移動する度にこれ渡るんですか!?」
「それは…何とも言えない。」
俺達はゆっくりと一歩ずつ橋を渡り始めた。かなり脆いせいか、木の板はミシミシと音を立てる。正直、いつ崩れてもおかしくない。
「こんな時、大体目の前に強敵が現れたりするよな。」
「そういう事言わないで下さい!本当に来たらどうするんですか!」
まさかと思いつつ吊り橋の奥を見ると、渡り切った辺りに人影が見える。段々と近付くにつれ、その姿や顔は見た事のある人物だった。
「お久しぶりですね。」
服装は違うが、見た目に変わりは無い。何者かなど言わずもがな分かる。
「無事で何よりだ、まくとぅ。」
まくとぅは笑った。その笑顔は、何故か不気味に見えた。
次回もお楽しみに!