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Stage11-7 禁じられた魔法


青色の一つ目大蛇は、全長九メートル程。こちらをジッと見つめているだけで、襲っても来ない。どうやら奇声をあげる蛇では無さそうだ。

「…てかお前、何で捕まってたんだ?」

「誰かに殴られて気を失ったみたいでな。起きたら手足拘束状態で大蛇に見張られていた。」

「…てことは、目を覚ましてすぐ俺達が来たのか?」

「あぁ、たまたまな。」

一歩遅れていれば、なんくるは大蛇に食われていたかもしれない。そんな恐ろしい結末は頭の片隅へ追い払い、戦闘へと意識を戻した。

「あの蛇なんで襲って来ないんだ?」

「もしかすると見張り用なのか?」

すると、なんくるは防御しながらも俺達が来た入口へと飛び込んだ。しかし、大蛇は襲う事なくただジッとなんくるを見つめていた。

「こいつに戦闘の意思はないのか?」

「そうと分かれば闘う必要はないわ!アルミ!逃げるわよ!」

「いや、ちょっと待て。流石におかしくないか?」

「なにがよ?」

俺達は此処に到着するまで四人の犠牲を出した。囚われていたなんくるを発見出来た事は大きいが、このまま何も無いとするなら余りに単純すぎる。最終フロアより途中の方が難しいというシステムはざらにあるが、大きな宝が一つも無い事が疑問点となる。そうなると、この蛇は傷を付けたら戦闘が開始するタイプと考えるべきだ。恐らく、この状況であれば何もしないとみて逃げるプレイヤーは大勢いるだろう。倒さなければ損をするとゲーマーの勘がそう告げている。

「駄目だ、こいつを倒してから戻る。」

「何でよ!」

「レイラ、なんくるの元へ行け。すぐに逃げる準備をしておくんだ。」

「ちょっと本当に闘う気?元盗賊の勘だけど、あの蛇強いわよ。」

俺はレイラの言葉を無視し、戦闘態勢に入ると、レイラは呆れたように溜息を吐く。

「…さっさと終わらせてね。」

そう告げ、レイラはなんくるのいる入口へと飛んだ。しかし、大蛇の視線は動かず、永遠となんくるを見ていた。

「やはりな、なら対象を変えるだけだ!」

俺は、挑発という技を使用した。挑発は、敵の対象を自分に移す事の出来る技。強制的に視点を変える為、数分間ではあるが怒りで攻撃力が上がってしまうのが難点だ。

すると、大蛇の視点はなんくるから俺に切り替わった。同時に顔付きも変わり、威嚇をした。

「さぁ、来いッ!」

大蛇は柱を離れ、俺へと飛び掛かる。その瞬間、俺は後方へ下がり、そのまま反対の柱へと上がった。そして、柱に掴まったまま蒼炎を放った。すると、蒼炎はこちらに飛び掛ろうとする大蛇の口の中へと放たれた。苦しむ大蛇は、奈落の底へ落ちかけるも、間一髪尻尾を鎖に巻き付けた。

俺は一か八か鎖を斬った。四つのうち一つの鎖を斬った事で、台座は不安定な状態となった。大蛇も体勢を立て直し、鎖を滑らかに昇ってきた。俺は大蛇のいる台座へと飛び、空中で技を放った。

「サイコ・クロック2!」

台座には、大きな時計の紋章が刻まれた。長針が一秒単位で進む中、俺は再び反対の柱へと飛んだ。長針が一周した時、光の渦が現れた。その光に包まれながら、大蛇は姿を消した。

「…すげぇ。」

「…アルミって、こんな強かったんだ。」

サイコ・クロック2、前回使用したサイコ・クロックとの違いは二つある。一つは、前回よりもダメージが大きく確実に与えられる事。もう一つは…

「…う…うぅ…っ!?…☆,→##?,,¬♩-♦。」

「…アルミ?」

ダメージを確実に与える事の出来る代わりに、反動が何十倍にも返ってくる事。

身体へとダメージが大きすぎる故、サイコ・クロック2は禁忌魔法として指定されている。 当然、俺は気を失った。そして…


「アルミッ!!!」

「嫌ぁぁぁぁぁぁッ!!!」


奈落の底へと落ちてしまった。


次回もお楽しみに!

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