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Stage11-6 旧友との再会


砂漠の地下神殿、第四フロア終盤。

カルトを失った後、俺とレイラは第四フロアへと進んだ。弱い魔物、それなりに強い魔物もいた。だが、今の俺は負ける気がしなかった。隅から隅まで歩いた為、このフロアにはもう魔物は存在しない。集めるべきアイテムも全て集めただろう。しかし、俺は心の底から笑えていなかった。

第五フロアへと続く階段の前で、俺とレイラは焚き火をしていた。先程からレイラは、俺の顔色を伺っている。

「…気にしなくても大丈夫だ。別に怒っている訳じゃない。」

「…そんな事分かってる。皆の事気にしてるって事も。」

「…誰も守れなかったんだ。」

俺はこれまで多くの人達と会い、旅をしてきた。仲間を失う瞬間も沢山見てきたはずだ。それなのに俺はまた何も守れなかった。そんな言い分を話すと、レイラは俺の頬を叩いた。

「…皆はあんたに守られる為に旅をしていた訳じゃない。あんたを守りたい、あんたの力になりたい。そう思って皆着いてきたの。現にあんたと私は生きている。皆が残した功績があるから、今を生きていられるって事じゃないの?」

レイラの言っていることは概ね間違いではないと感じた。油断や隙はあったのかもしれない。それでも守れる時はしっかり守ってくれた。仲間の為に死ねる、そんな彼等こそが勇者なのだ。彼等の死を無駄にしてはならない。今俺がやらなければいけない事は、仲間の為に此処を出る事だ。

「そうだな。レイラありがとう。」

「…どういたしまして。」

俺がこの世界にいる間は、この世界に浸っていたい。この時こそ彼女に本気で恋をした瞬間だった。

「レイラ、此処を無事に出たら一緒に旅をしよう。そして、ずっと俺の隣にいてくれないか?」

「…それって。」

レイラは頬を赤くして、小さく頷いた。冷えていた身体も何故か暑くなっていた。俺達は体育座りの状態で身体を寄せ合った。

「…絶対生きて帰らなきゃ。」

「必ず守るよ。」

俺達は身体を寄せ合ったまま眠りについた。


翌日、俺達は第五フロアへと足を踏み入れた。

「レイラ、どうやら此処が最後のフロアみたいだ。」

「そうみたいだね。」

このフロアには、次のフロアへ続く階段はない。

更に広い空間の中心には、石で作られた床がある。それは宙に浮いており、床の四つ角と空間の四つ角が鎖で繋がれている。当然そこから下は真っ暗、落ちれば奈落の底という状態だ。そして、その台座の中心には、赤髪の大柄な男が膝まづいている。男の手足は鎖で繋がれていた。


「なんくるっ!」

傷だらけの赤髪の男が顔を上げると、目を見開いて驚いた。

「…アルミ…アルミなのか!?」

「おう!助けに来た!」

俺とレイラは、なんくるの元へ飛び降りた。そして、サイコキネシスの力で鎖を外した。

「お前なんで…」

「話は後だ。お前の事だからまた蛇とかに襲われそうなんじゃないのか?」

「アルミ!上!」

俺がなんくるをからかうように話し掛けると、レイラが上の柱を指差した。その方向を見ると、そこには青色で一つ目の大蛇が威嚇していた。

「ほらな、やっぱり蛇だ。」

「キモイキモイ!私蛇嫌いなのよ!

なんくるがナックルを装備しながら、俺とレイラの前に出る。

「…またあの時のように倒すしかないな。」

「余裕だろ?」

「当然。」

俺となんくるは拳を交わし合うと、間からレイラが顔を出す。

「じゃあ今回は男の友情パワーで何とかして。私は今回パスッ!蛇は無理ッ!」

そう言うとレイラは少し距離を置いて座り込んでしまった。やむを得ず俺達は、二人で大蛇を倒す事となった。


次回もお楽しみに!

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