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【連載版】八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます  作者: 海夏世もみじ
第3-3章 独立戦線〜漢どもが夢の里へ〜
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第51話

 みんなに看病されて数日が経った頃、とある二人を僕の部屋に呼んでおり、()()()()()をさせていた。


「お、おいアッシュ殿、これは流石に……」

「大丈夫大丈夫、逆にそれでストレス感じてくれなきゃ困るし」

「くっ……騎士団団長でありギルマスであり、父であるこの俺が……ッ!」

「似合ってますね☆ 僕にも用意してくれてるんのでしょうか?」

「勿論」


 この部屋にはリーヴェ王国騎士団団長であるロブストさんと、宿屋のオーナーであり最高神のルクスが来ている。

 それもこれも、エルフ公国のためだ。


『ん、アッシュ、もう入っていいの?』

「おー、いいぞー」


 ドアの外から聞こえてくるイアの声に返事をしたが、僕から発せられる声はいつもより高かった。

 ガチャリと開け、僕らの姿を見たイアや他の者たちは目を丸くして驚いている。まぁそれも仕方ないだろうな。


「し、師匠ですか!? すごいです!」

「アッシュ……いや、アッシュの姉って設定のアスミだよ、よろしくね。なんつって」


 黒いウルフカットに、ぴっちりとした黒スーツとネクタイ、そして黒のゴム手袋というクールな見た目だけ。

 変わっているのはそれだけでなく、イアと同じくらいの豊満な胸に狭い肩幅、自画自賛できるほど美人な面になっている。


「久々に性転換の魔術を使ったなぁ。にしても、相変わらず面がいいな、僕」


 初めて性転換の魔術を使ったのは地球だ。色々諸事情があって女子校に潜入しなければならなくなり、なぜか僕が行くことになったという感じだ。『女子校に咲く一輪の王子』とか言われてたな。

 そう考えると、今回はその時と似てる状況だ。


「そ、そっちの子は……?」

「こっちはロブストさんのいとこという設定のロブコちゃん」

「俺が……俺がこんな……」

「んで、こっちがルクス」

「この格好はアッシュの記憶で見たことがあります、ギャルというやつですね! いぇーい、ぎゃるぴーす☆」


 ロズストさんは女物の服を着せたら勝手にショタ化したので、それをいいことにウィッグや化粧、その他諸々をしてロリータファッションを着込むロリに変身してもらった。

 ルクスはただ服を着させただけた。金髪だし、なんとなく制服を着させ、カーディガンを腰に巻いたギャルみたいな感じにした。


 ……ちなみに僕の衣装は、これが一番女の子を墜とせたからというのが理由だ。


「カッカッカ! 儂より胸がでかいとはどういうことだアッシュ。殺すぞ」

「落ち着きなよアイ、可愛い顔が台無しだよ? 笑っている君が僕は好きなんだけどなぁ」

「なっ!!? 何を言っておるのじゃお主はっ!!」


 うんうん、どうやら王子様は健在のようだな。なぜだかわからないが、おとこの時よりもこっちの方がイケメンムーブができる。

 エルフ公国は女尊男卑の国。それつまり、女の子を堕としまくればどんどん僕に有利になるという安直な考えだ。果たして上手く行くかな。


「それにしてもアッシュよ、その状態で戦えるのか?」

「そりゃもちろん。この体は刀術と拳術が使えないけど、腰にある拳銃と足技で賄えるぞ。女の体だからってなめてもらっちゃあ困るね」


 この肉体は刀術と拳術がビックリするほど合わないが、銃と足が特化している。弱いわけではなく、元の姿と同じくらい強い。


「……さてと、そろそろ時間かな」


 リーヴェ王国とフィアンマ王国からエルフ公国への入国許可証を貰っているので、入国が可能になった。

 しかし、あくまで城下町の視察。手を打たなければいけない。時間も限られているし、1秒でも無駄にできない。


 エルフ公国からの馬車がやってきているらしいので、外に向かった。


「お前たちが人間国の視察者……。ちゃんと女性か、許可する」

「ありがとう、イケメンなエルフくん」

「っ! お、おう……」


 迎えにきていた公国からの使者であるエルフは男性だった。男性はやはり雑用をさせられているらしいな。

 美人かつ、女性に虐げられる環境下かつ、優しいお姉さんともなったら、エルフ公国の男なんざ全員イチコロだろうな。


『お、おにーさん……いや、今はおねーさん?』

「お、ニンファか。まだ寝てんのかと思ってたぞ」


 馬車に乗り込む直前、ニンファがようやくやって来る。この状態でも眠れるらしいが、眠すぎな気がした。


『あの、おにーさん本当にありがとう。あたしのためにこんなに……』

「いいってことよ。呪いを解いてくるから、帰ったら借りでも返してもらおうかな」

『へっ!? そ、それって……』

「じゃ、行ってくるよ。みんなもまたなー」


 手を振りながら馬車に乗り込み、フィアンマ王国を後にする。

 後から考えたが、別に借りとか返さなくてもいいなぁと思っていた。無意識に変な含みを持たせるこの状態は少しデメリットかな。


「それにしてもアッシュ……じゃなくてアスミ殿、物凄い美形だな。俺が若かったらお前に告白していたかもしれん」

「まぁな。ボインボインだし。ほれほれ」

「うぉほー!」

「あははっ☆ それ僕にもつけれる!?」

「よ〜し任せろ。魔術で……ほいっ!」

「すごーい!」

「ロブストさ……ロブコもいる?」

「い、いらん!」


 見た目は美少女三人衆だが、中身は男だけだ。今までずっと女性といたし、男三人だったら伸ばせなかった羽根も伸ばせられる。


 男三人が女の国へ行く、か。

 笑えてくるな。

アッシュ……もといアスミの姿は元々メインヒロイン予定でした。

スーツ(服装で上位に入るほど好き)、ウルフカット(髪型で一番好き)、黒ゴム手袋(なんか叡智で好き)、その他諸々……。


???「だがいいか……君たちには計り知れる事かも知れないが最後に一つ言っておく。『誑しは加速する』」

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