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「この間の話を聞く限り、ナナシの能力なら中の音を聞き取る事が出来るかもしれません・・・ですが、魔王様?」
「ん?なぁにぃ?アスタ」
「狼語しか話せないナナシからどうやって内容を聞き取るんです?狼系の悪魔達の中でも狼語を訳せる者達はロアの指示でマクスウェルに潜伏中なので居ませんよ?」
「嗚呼、へーきへーき。俺様かロアがぁ、ナナシの情報読むから~」
「え・・・魔王様は兎も角、ロアも?どうやって?」
「あれ?アスタはロアの能力の制限解除知らなかったっけぇ?」
「悪魔の能力制限解除?何ですか?ソレ。初耳なんですけど?」
「あは。アスタが困惑してる~。超レアじゃ~ん(笑)」
困惑顔で俺を見るアスタロト様。
ケラケラ笑う魔王様の頭に一発拳骨を落し、俺は自身の能力の制限を解いた話を彼に聞かせた。
「・・・口を噤んで居れば、それは秘匿・・・つまり、能力に引っ掛かる。と?」
「はい」
「ロア?」
「 ? 」
「それは些か強引な解釈なのでは?」
あ、やっぱり皆そう思うんだ?
いや、俺だってそう思っては居るんだ。
でもそれで能力が使えるなら無問題ダロ?