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それからあーでもないこーでもないと、勇者攻略の話で会議は予定よりも三時間程長引いた。
最終的に、勇者攻略については先に二国の解放を行ってから考えると言う事で話は纏まり、お開きになったのだ。
「・・・勇者攻略が最大の壁だな・・・もう少し勇者達の情報が欲しい」
この件に関しては下の連中じゃ荷が重過ぎるな・・・リオかバティに頼むか・・・。
大きな溜息と共に1人で今後の予定を立てて居ると、ポンポンと軽く肩を叩かれた。
「んぁ?」
何も考えずに振り向けば、其処にはアスタロト様が居て、慌てて姿勢を正した。
「アスタロト様!」
「すまんな、ロア。お前達の部署には負担を掛ける・・・」
「いえ。ソレが我々の仕事です」
「そう言ってくれると、此方も助かる・・・で、ロア?第三柱の間は逆方向だがどうした?」
首を傾げて、心底不思議そうな顔をするアスタロト様に、魔王様に預けたナナシを迎えに行くのだと答えた。
嗚呼!と瞬時に納得し、ならば一緒に行こうと言うアスタロト様と一緒に俺は魔王様の執務室に向かう。