95/139
3-20
俺がロフォカレの問いにそう言えば、彼は眉間にシワを寄せてさらに云った。
「それは・・・『彼ら』は大丈夫なのか?」
「無理なら手を引けとは言ってあります。が、万が一の事を考え、城に送り込んでいる俺の部下には『彼ら』の守護を第一にと厳命しました。此方としても、『彼ら』に死なれては困りますからね」
「なら良い・・・」
「というか、実際その勇者たちの実力はどのくらいなんだ?」
首を傾げつつそう問うのはアスタロト様。
「残念ながら、不明です。勇者達の特訓は周囲を固めている兵士以外は見られないそうです」
「潜り込めないのか?」
「残念ながら・・・魔術が掛けられているようで、魔力登録された者しか入れないとか」
「オレ達の城で言うところの個人部屋の登録のような感じ?」
「嗚呼、ソレに近いな」
コテンと首を傾げ乍ら問うサタナキアに、そうだと頷いて見せる。
「成程、厄介な・・・」
アスタロト様が大きな溜息を吐いた。