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バディの示した方向を見れば、何時の間にやらナナシを挟むようにしてアベルが寝ていた。
っていうか、ナナシを抱き枕にしている。
道理で起きた時に両腕がスカスカだと思った・・・。
いや、それ以前にベッドから落ちなくて良かった・・・。
「お前には仲が良さそうに見えたのか?」
「違うの?」
「・・・アベルは勝手に加わっただけだ。つーか、俺から抱き枕とるんじゃねぇ!」
「いや、ナナちゃんはお前の抱き枕でも無いよ?」
バティは苦笑しながら俺にツッコミを入れた。
「とりあえず、ソレは良いとして・・・」
「露骨に話逸らすね?まぁいいけど、何?」
「バティはどうしたんだ?アベルみたいに『暇潰し』みたいな理由で俺を起こしに来てたら・・・殴る」
「何ソレ、起こした代償が酷くない?!って、違う違う!そうじゃないよ・・・今日のロアの予定を確認しに来たんだ。午後からの会議以外に何かあったっけ?」
「・・・嗚呼、なんだ・・・いや、午前の予定はなんもない」
「あ、もしかして何もないから寝てたの?」
欠伸をしながらコクンとバティの問いに頷いた。




