81/139
3-6
「・・・ナナシ。魔王様はほっといて、もう一度寝るぞ。俺は眠い」
「えぇ~?」
「くぅん?」
「ほら、コッチ来い・・・」
もうどうやってもアベルを追い出せる気がしないので、諦めて二度寝することにした。
いまだに俺を撫で続けるナナシを抱き寄せ、ベッドに寝転ぶ。
半分ほど布団を被って目を閉じた。
因みにナナシは大人しく俺の腕の中に納まっている。
狼や鳥の悪魔らしいナナシの高めの体温が眠気を誘う。
「えぇ~?嘘でしょ?ロア。上司を目の前にしてぇ、マジで寝るのぉ?」
「・・・お帰りは転移でどうぞ。お休み・・・」
意識の遠くでアベルが呼んでいるような気がしたが、完全無視して俺は眠りに落ちた。
その後、二時間くらいして今日の予定を確認に来たらしいバティストに起こされる。
「ロア、仲良く三人で寝るなんてズルいよ~。俺も呼んでくれたら良かったのに」
「・・・は?」
意味不明な事を言われたので首を傾げれば、バティはクスクス笑いながら俺の隣を示す。