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他の幹部たちには聞かせられない発言に頭を抱えながらそう問えば、アベルは少し考えた後口を開く。
「・・・ロアとぉ、バティを護るのにぃ、一番早くて確実だからぁ~?」
「あっそう・・・」
「あっ。でもぉ、ちゃんと他の魔族も大事だよぉ?少なくともぉ、マクスウェルの現王様は俺様が処分したいと思う程度にはぁ~」
ニコニコと言い切るアベルに、俺は理解した。
コイツは俺とバティ、そして最近ではナナシにへの執着が振り切れているだけで、ティアマトの住民達の事はちゃんと大切にしているらしい。
「それよりロアぁ?」
「あ?」
「今日、6柱会議でしょ~?」
「・・・そうだな。この間の拷問の結果と、今後のマクスウェルにへの対処について話す」
「ナナシのぉ研究関係の書類ぃ、読んだけどさぁ?合わないんだよねぇ~」
「は?何が?」
「ナナシをぉ、作るのに使った魔族の数~・・・」
「・・・・・・は?30人だろ?」
「いいや?実際はその半分だねぇ・・・残りはァ別の実験に使われたっぽいよぉ~?」