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最近能力を使いまくって疲れていたし、今日くらいゆっくり寝ていても許されるだろう。
そう思って二度寝を決め込んだハズだったのに・・・
「ロ~ア~?ナ~ナ~シ~?」
アベル・・・魔王様の襲撃を受けた。
布団を剥がされ、強制的に起こされる。
「・・・おい、呪うぞ?アベル・・・っていうか、どうやって部屋に入った?」
第三柱の間にへの扉は仕舞っていた筈だぞ?
眠そうに目をこすり、でもアベルの為に頑張って起きようとする健気なナナシの頭を撫でながら溜息を吐いた。
「どうやってって、普通に転移したぁ~」
ぺカーっと効果音つきそうな満面笑顔で言い切るアベルに、思わず頭を抱える。
「・・・あのな?俺だけなら兎も角、此処にはナナシも居るんだ。着替え中だったらどうするんだ?後、朝っぱらから他悪魔の部屋に侵入してくるんじゃねぇ・・・」
そう溜息混じりに言って、ぺしっと魔王様の額を軽く叩いた。