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「アベル、怒るだろうなぁ」
「・・・サタナキアの時なんか、可愛いもんだろう・・・」
「あ~怖い怖い。でも、奴らは本当にお終いだね」
「・・・そうだな」
「んじゃま、一先ずこの話は此処までにしといて・・・今日はもうおしまい」
「・・・そうだな。ナナシが待ってる」
「うんうん。でも、ナナちゃん達のトコに行く前に、お前はする事があるよ?」
「する事?」
コテンと首を傾げるロアに、俺は笑顔で告げる。
「風呂だよ。ロア、大量に血を浴びたでしょ?魔法で綺麗にしたとはいえ、ナナちゃんの鼻は凄いからね。このまま戻ったんじゃ、お前もナナちゃんに避けられるよ?」
「うっ・・・」
想像だけでダメージを受けたのか、ロアの視線が再び床に向く。
「いや、自分で想像して自分でダメージ受けるって、どんだけ?」
ケラケラと笑いながらロアを引っ張って立たせると魔王城にある大浴場にへと彼を連れて行った。