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だが、全てが遅すぎた。
「最期に、言い残す事があるなら聞いてやろう」
ロアの言葉に男が彼を見上げる。
「・・・さ、いご・・・?」
「言わなかったか?俺は魔王様に情報を得るためなら2、3人殺しても構わないと言われている」
「なっ?!」
「お前はその2、3人の中の1人・・・俺が今までお前を殺さなかったのは、情報を得る為じゃ無い。お前に殺された奴らと同じ事をお前にする為だ・・・だが、ソレも次の一回で終わる。全部で30人・・・ここに転がるお前の一部は・・・お前が彼らから、『彼女』を『あの姿』にする為にと笑いながら抜き取ったモノと同じ部位」
「あ、あく、まっ・・・!!」
「なんだ、今更気が付いたのか?お前、本当に阿呆だな?」
「でも、1つ賢くなったね・・・まぁ、その賢さを披露する場はこの先もう無いワケだけど・・・自業自得と言う事で、諦めて?君の仲間も近いうちにそっちに行く事になるだろうし、寂しくは無いでしょ」
ガタガタと震えだす男に、机から離れたロアが剣を抜いた。
「だが、まぁ・・・俺からの慈悲だ。最期は苦しまないように殺してやろう。ありがたく思えよ」