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「ッ!!」
「・・・ソレが個人の秘密だろうが、国家の秘密だろうが、俺の前には関係ない」
「それじゃ、今までのは・・・?」
「俺は、言っただろう?最初に召喚した『彼女』をあの姿にするのに、何人使った?ってな・・・」
能力を使っている証である赤く染まった右目が怪しく光り、顔から表情の消えたロアが男にそう告げる。
男に浮かぶ、恐怖と焦り・・・
彼の頬を冷や汗が流れていった。
正直、俺もちょっと怖いな。
このロアは・・・。
「俺が趣向を変えてからついさっき迄お前にしていたことは、お前が俺達の仲間にしたことだ・・・」
「君達は少し、はしゃぎ過ぎたね・・・」
ロア達から少し離れた壁に寄りかかり、俺も男にそう言った。
そう、彼らはハシャギ過ぎた・・・だからロアも、あのアベルすらも怒らせた・・・。
「君は、否、君達マクスウェルは俺達悪魔を、魔族を、何よりあの魔王様を怒らせた・・・」
「 !! 」
男の視線が地面に落ちる。
此処に来て、漸く自分達が何を敵に回したのか理解出来たらしい。