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なんて、現実逃避をしてみたりする。
このポーション、傷は治せても傷痕は治せないって事も承知済みですよ。うん。
「・・・で?何?ソレ・・・」
「・・・見ての通りのモノだが?」
男が失神中の為、休憩と云わんばかりのロアに、机の物体達の説明を求めればそう返された。
「そうじゃなくて!」
「分かってる。言っただろう?」
「ん?」
「クズ共と同じ事をしてやると」
「そう言われてみれば・・・はぁ~、なんだ。良かった・・・」
「良かった?何がだ?」
「ロアに猟奇的な趣味でもあるのかと・・・」
「・・・この男が一番最悪な趣味の奴だっただけだ。俺の趣味じゃない」
溜息を吐きながらロアは心底嫌そうな顔をする。
っていうか、よく見たらコイツも血塗れじゃん。
ロアの血じゃ無い事は理解できてるけども、でも・・・グロ・・・。