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研究に関する内容と、攫った魔族の行方について喋るとその場で爆ぜて死ぬ呪い。
俺の問いに黙秘を貫き続けているのは、その呪いの効果を恐れての事だった。
それからまた、一本、二本と投擲用のナイフを男という的に急所を避けながら投げ続ける。
「ふむ・・・まだ頑張るな?それでは、少し趣向を変えよう」
両の手足から何本もナイフを生やした男を見つめ、これ以上やっても結果は同じかと、次に投げようと手にしていたナイフを机に戻した。
「・・・コレ、何か分かるか?」
青色のポーション瓶を手にとり、軽く瓶を振って見せながら男に問う。
「 ? 」
「これは、一滴で瀕死の大怪我を治せるほどの回復薬。まぁ謂わば劣化版エリクサーみたいな回復薬とでも思えばいい・・・」
「・・・な、に・・・?」
「これを何に使うかって?簡単だよ。コレからお前に使うんだ」
「・・・へ?」
俺の言っている意味が理解できていないのだろう。
間抜けな顔で聞き返してきた。




