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「お前らが最初に召喚した『彼女』は、今は俺達の保護下にある・・・」
寄りかかっていた机の空いているスペースによいしょと座り込み、手近にあった投擲用のナイフを手に俺は話を続けた。
「・・・どうやって、彼女をあの姿にした?何を使った?いや、何人使った?」
手にしたナイフを眺めながら更に質問を重ねる。
それでも口を閉じたままの男の頬を冷や汗が流れた。
「・・・意地でも喋らんか・・・ソレとも、もう声もでないのか?」
ひゅんっと、前触れなく手にしたナイフを男の太腿に向かって投げる。
サクりと綺麗に刺さった。
瞬間、汚い悲鳴が部屋に響き渡る。
「なんだ・・・まだ声、出るじゃないか・・・」
壁に付いている拘束用の魔法陣により、身動きの取れない男は痛みでその場に崩れ落ちる事も許されない。
だが、それでも喋らないコイツの『生きたい』という意思の強さは素直に感心してやろうと思った。
コイツにはコイツの飼い主、つまりマクスウェル国の国王が魔術師を使って掛けた呪いがある。