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拗ねたように言う魔王様は、先程彼が述べたように俺の幼馴染である。
人間と違って、俺達魔族は完全実力主義。
上に上がりたきゃ強くなれ的な?
そして、ソレを体現したのが今の魔王、アベル・ルシファー様だった。
来るもの去る者全てをぶっ潰してのし上がった。
普段は今みたいに滅茶苦茶ダラけているが、彼は魔王になれるくらいには強い。
・・・話が逸れた。
先程魔王様の口から出た『バティ』。
俺の直属の部下で18精霊の1人、『ジャン=バティスト・ボティス』と言う舌の噛みそうな名前の奴の事である。
因みに奴も俺達の幼馴染だが・・・今の魔王様の発言を聞いて、後でシメ上げる事にした。
魔王様を呼び捨てにするとは何事か!
「ロぉアぁ~?今バティを締め上げよーとか思ったでしょ~?」
「・・・・・・思ってません」
「ホント~?今結構『間』があったけどぉ~?」
「思って、ません・・・」
「そぉ?まぁいいけどぉ。バティは怒らんといてあげてぇ?俺様がそう言わせてるんだからさァ」