38/139
1-23
「『枷』・・・『枷』か・・・それは流石の俺も専門外だな・・・」
思わず眉間にシワが寄る。
「司令?」
今まで黙って様子を窺っていたリオが、恐る恐ると言った感じに俺を呼び、小さく手を上げた。
「どうした?リオ」
「あたし、思ったのですが・・・此処は素直に『マルバス』に頼めばいいのでは?」
「マルバスに?」
俺が問い返せば、彼女はコクンと頷いた。
「マルバスなら、『隷属の枷』から不要な能力を取り除けるし、必要な能力を付け足すことも出来ると思うの。何よりあの子の能力は・・・」
「 !! 」
「あは。そうだったァ!マルバスにはァ、『人の姿を変える』能力があるんだっけぇ?」
「はい。だからこの娘のこの姿も、人型に戻せると思うのだけれど・・・」
「よし。リオ、お前の案を採用する」