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しかも、何気に楽しそうなのが余計に腹が立つ。
「いや、『次行くよぉ~?』じゃないです。何してるんですか?遊んでないで仕事をしやがれ下さい」
「あ~、ロア~!さっき振りぃ~」
「さっき振りじゃない!『アベル』、何をしているんだと俺は聞いている」
「ナナシとぉ、いちゃついてる~」
「シバくぞ?仕事しろ」
「えぇ~」
「『えー』じゃない。第一、遊ぶならもっと別の遊びをしろ。今やってる遊び、完全に『イヌ』の『取って来い』だろうが!!」
頭を抱えながら俺がそう言えば、『アベル』はキョトンとした後、本当だぁ~っとケラケラ笑いだす。
コ・イ・ツ・は・・・!!(怒)
「でもぉ、ナナシ楽しそうだったよぉ?」
「ナナシを『人間に戻せ』と言ったのは、貴男だったと俺は記憶していますが?」
「そうだけどさぁ・・・」
むくれながらそう言う『アベル』。
彼なりに理由があって遊んでいたことは理解しているのだが、それでも言いたい小言は山ほどあるのだ。




