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ヒラヒラっと手を振って魔王様は二パッと笑った。
そうしてキョロリと周囲を見渡すと首を傾げて問う。
「そー言えば、ベルゼビュートとアスタロトが居ないんだけどぉ?」
「お二人なら今、魔王様が投げ出した書類仕事を代わりに・・・」
「・・・あは☆そうだったぁ~!」
忘れてたよぉ~っと、魔王様はケラケラと笑って言う。
現在執務室で書類に追われているお二方を想い、俺は小さく溜息を吐いた。
「魔王様」
「アベル」
「まお…「ア~ベ~ル~!」」
「・・・アベル様」
「『様』いらなぁ~い」
「いりますよ」
「いらないよぉ?俺様とロアはァ、幼馴染じゃ~ん?」
「そうですが、今の俺は貴男の部下です」
「むぅ・・・バティはまだ、俺様の事『アベル』って呼んでくれるよぉ?」