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アガリアレプトの飼い狼  作者: テープコーン
第1章 狼と名前と調教
27/139

1-12

 


否、『ナナシ』って、つまり『名無し』だろ。


それ、名前付けたって言えるか?



大きな溜息と共に魔王様を見れば、彼は得意気な顔をしていた。



「さぁてと。じゃぁ、名前が決まったところでぇ・・・ナナシはお風呂ねぇ?」



パチンと一回、魔王様が指を鳴らせば現れるこの城のメイド達。



「お風呂が終わったらぁ、リオちゃんのトコに預けといてぇ?」



ヒラヒラとメイドに手を振って、魔王様はそう告げる。


そうしてナナシを連れた彼女達が部屋を出て行くと、魔王様は俺達に向き直り溜息と共に言った。



「ハァ~・・・そんじゃぁ、ナナシには聞かせらんないハナシしよーかァ」


「・・・行方不明になった者達の話、ですか?」



俺がそう問えば、彼はコクンと頷いた。



「うん、そーだよぉ・・・少なくともぉ狼系と鳥系、2人は生きてないと思う~」


「ナナシを作る為の材料になった・・・?」


 

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