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アガリアレプトの飼い狼  作者: テープコーン
第1章 狼と名前と調教
26/139

1-11

 


「ま、魔王様!」



困惑するサタナキアの隣で、俺は無言で魔王様の手をそっと退けた。



撫でるのは『彼女』だけに留めてほしい。


男の頭を撫でても面白くないだろうが・・・。



「あ、そうだ~。1つ言い忘れてたァ」


「 ? 」


「なんですか?」


「この子ねぇ?元の名前覚えてないっぽいよぉ?」


「えっ?」


「は?」


「だからぁ、新しく付けてあげてぇ?」



「何時までもこの子とかぁ彼女って呼び方じゃぁ可哀想でしょー?」っと魔王様は首を傾げた。



「そんな、急に言われても・・・」


「だね・・・オレはいい名前思い浮かばないなぁ・・・?」


「えぇ~?じゃぁ俺様が名前つけちゃうよぉ?」



そう言って魔王様は、「今日からァ君は『ナナシ』ねぇ?」と名前を付けていた。


 

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