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「レナルドも原因の一つ目、理解出来たァ?」
「はい。俺は無意識に『彼女』を『女性』ではなく、『狼』と認識していた・・・って事ですね」
「うん。そー。でぇ、二つ目の原因なんだけどぉ」
「・・・『彼女』自身が、自分を『狼』だと思い込んでいる事・・・ですか?」
「うん?なんだァ、レナルドもちゃ~んと理解出来てるじゃ~ん」
「あ、いや・・・今自分の認識がって話をしていたので、もしかしたら逆もまたそうかと思いまして」
「嗚呼、そっから推測したのぉ?」
恐る恐ると言った様子のレナルドに、魔王様はそう言って更に続けた。
「レナルドの能力はァ、多分『レナルドの認識』と『掛ける相手の認識』が揃って『女』の時にだけ掛けられるんだよぉ」
「・・・マジですか?」
「マジだよ~?だから今のこの子には効かないんじゃ~ん?」
思わず零れたサタナキアの本音に、魔王様はそう言ってブラッシングを終える。
「序でにぃ、自分を『女』と思ってる『男』でもぉ、レナルドの認識が『女』にさえなってれば『支配』出来ると思うよぉ?」
「 !? 」