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「・・・2人とも馬鹿なのぉ?」
言いたいことが俺達に伝わって居ないのを理解したのか、魔王様は呆れたようにそう言った。
そうして何処からともなくブラシを取り出すと、『彼女』の毛並みを整えるようにブラッシングを始めながら更にサタナキアに質問を重ねる。
「レナルドはァ、明らかに『男』と認識してる相手に一々『支配』使うのォ?」
「いいえ」
「でしょ~?つまりはそういう事だよぉ~」
「えっ?・・・ん?!んん~?」
「嗚呼、成程・・・」
更に首を傾げるサタナキアと違い、俺は漸く理解した。
成程、ソレが原因の1つなら『彼女』に彼の能力が効かないはずだ・・・。
「ですが、その理屈で行くと、女装した『男性』に対して、レナルドの認識が『女性』であれば、『支配』が効くことになりますが・・・?」
「そうはならない理由ってぇ?」
「はい」




