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「と、言いますと?」
「この子さぁ?マクスウェルに『狼』にされたっぽいんだよねぇ・・・」
「狼?」
「見た目が、と言う意味ならその様ですが・・・」
首を傾げる俺とサタナキアに、魔王様は違うと首を横に振った。
「違うよぉ。そんなん見れば誰でも分かるしぃ。俺様が言ってるのは『心』のことぉ」
「心・・・?」
「うん。心ォ。見てみィ。この子、今完全に俺様に服従の姿勢取ってるでしょぉ?」
魔王様の言葉に視線を『彼女』に向ければ、コロンと地面に転がり、腹を見せて服従のポーズを取っている。
その姿はなんというか、完全に『イヌ』である。
「・・・そう言えば、此処に連れてくる前も俺に同じ様な事したような・・・?」
砦で『彼女』を説得した時の事を思い出し、納得した。
アレは服従のポーズだったのか・・・。
「・・・マクスウェルは魔王城に潜入させる為に、手駒に出来る悪魔が欲しかったみたいだねぇ・・・」