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改めて突きつけられた現実に、思わず泣きそうになった。
そんな俺達の様子を見つつ、レプトは至極言いにくそうに口を挟む。
「・・・あーっと、感傷に浸ってるとこ悪いんだがな?お前らに言っておかなきゃならん、悪いニュースがある」
「・・・何ですか?」
「大丈夫、ケンカしていない」と星ちゃんを撫で繰り回しながら十夜がレプトに返事を返す。
「ナナシ・・・否、ホシカ?は、もう人間には戻せない。戻してやれない・・・悪いが俺達にその手立てが無い」
「それは、研究員がもう居ないからですか?」
「いや。違う・・・彼女に関する研究資料は一つ残らず回収したし、俺は『悪魔 アガリアレプト』。秘密を暴く能力がある。研究員なんぞ生きてようが、いまいが、情報さえ揃えば後は魔王軍にいる、そう言うのの専門の奴らがどうとでも出来るし、実際そうさせようと思っていた」
「では何故戻せないと?」
そう十夜が問うと同時に、レプトは一度指を鳴らした。
「なんだ?急に」
俺は首を傾げ乍らレプトに問う。




