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そうしてそれ迄ずっと黙って俺達のやり取りを見ていた悪魔が口を開く。
「・・・終わったか?」
「まぁ、そうですね・・・お見苦しいところをお見せしました」
「いや・・・では、本題に入る前に結界を張らせてくれ。俺達の姿を見えなくするものと、話しを聞かれないようにするものの二つだ」
「良いですよ。ただし、俺がやります」
「・・・出来るのか?」
悪魔の提案を了承する十夜。
一応の警戒で自分でやると彼が言えば、悪魔は少し驚いたような表情をした。
「多分出来ます。一昨日『本』で読みましたし?」
「・・・一昨日、しかも『本』で読んだだけ・・・いや、まぁいいか?じゃぁ頼む」
案外あっさりと十夜の意見を肯定し、結界を張るためであろう解放していた魔力を解いた。
「では・・・」
覚えたての魔法の詠唱を始める十夜を横目に多分星花であろう魔族?を見る。