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俺も俺も!っと、呑気な会話をする後ろ2人・・・。
人選ミスったか?
と溜息と共に、俺の鼻は鉄のようなニオイを嗅ぎ付けた。
「・・・サタナキア?バティ?」
「嗚呼。血のニオイだ」
「魔族と人間、両方のニオイがするんだけど?」
顔を顰めるバティに、俺も眉間にシワが寄る。
俺達の力を持ってしても、此処を探し当てるのに大分時間を要した。
つまりは、間に合わなかった可能性が高い。
奥に進むに連れて濃くなるそのニオイ。
ギリッと怒りで暴れたくなる自分を抑える為に、歯を食いしばりながら進んだその先に、『ソレ』は居た。
『ソレ』の姿は狼がベースの『何か』。
身体の大部分は狼なのに、後ろ足は鷲のような鍵爪が付いている。
つまり、鳥のような足が付いているのだ。
出しっぱなしになっている羽も、俺と同じ蝙蝠のような羽に所々鳥の翼のような羽根が付いている。
狼でも鳥でもないその姿に、後ろの2人の息をのむ音が聞こえた。