128/139
5-7
俺の問いに、そこで言葉を切った悪魔は隣りにいる妹(仮)の頭を撫でながら表情を曇らせた。
は?なんだその表情。
お前らが妹(仮)をそんな姿にしたんだろう?!
訓練用に手にしていた木剣を捨て、怯えて使いモノにならない騎士から剣を奪った。
そうして剣を構えながら悪魔の男を睨み付ける。
ついでに刀身を炎で覆った。
不思議と『恐怖』という感情が涌かなかった。
これは勇者召喚された者にへの特典・・・。
否、違うな・・・多分、これはアドレナリンが出過ぎているからか。
恐怖よりも、妹をあんな姿にされた怒りが上回って居るんだろうな。
「・・・星ちゃんをそんな姿にしたお前ら魔族は・・・コロス・・・一人残らず、滅ぼす!!」
「待て!月っ!!」
制止する十夜の声を無視して悪魔に斬りかかる。
悪魔を庇おうとする妹(仮)を片手で制止して、悪魔は彼女を止めたのとは反対の手で俺の攻撃を受け止めた。
「・・・血の気が多いな。お前、もう一人の制止する声が聞こえてないのか?」
「うるせぇ!俺の、俺達の妹を返せ!!悪魔野郎がァ!!」




