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・・・あ、コレは相当キレてんな・・・。
まぁ、俺も十夜とどっこいだけど。
「・・・貴男が、最初の勇者を攫ったと言う悪魔ですか?」
此方に何かを言おうとしていたらしい男よりも先に、十夜が口を開く。
疑問形で問うてはいるものの、多分この男がそうだと十夜は確信している。
そしてそれは俺も同意見。
そうじゃなきゃ、騎士達がこんなに怯えるワケがねぇ。
「・・・そうだ。俺が彼女をそいつらから『保護』した」
『保護』
ソレを強調して、悪魔は平然とそう俺達に告げる。
『保護』?保護って言ったか?コイツ。
「成程・・・お前ら悪魔の『保護』っつーのは、攫った人間をそうやって改造する事を指すのか?」
「なんだ?ナナシに見覚えでも・・・否、そうか・・・お前らは・・・」




