120/139
4-18
「きゅーん?」
「なぁに?ナナシちゃん、一緒に行って欲しいの?」
「わんっ!」
一緒に行こう?とリオネルの服をちょいちょいと引っ張るナナシ。
甘える子犬のような鳴き声も付けて、彼女をオトそうと頑張っていた。
「えっ?本当に???」
「くぅ~ん」
「うぅ・・・でも、あたしもお仕事が・・・」
苦笑しながらリオがそう告げると、ナナシは分かりやすく耳と尻尾を下げて落ち込む。
「・・・リオ、俺が許す。一緒に行ってやれ」
俺の方が見てられなくなって、そう許可を出す。
「司令・・・」
「これはナナシにへのご褒美だからな。彼女の望むことは叶えてやりたい。だから、その仕事を後回しにする事を俺が許す。後で俺も手伝うから、今はナナシの願いを聞いてやってくれ」