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そうして此方を見て首を傾げて問う。
「・・・本当か?本当に『アレ』をくれるのか?」
「嗚呼。くれてやる。だから手伝って欲しい」
そう今度は真剣な顔で言ってみた。
サタナキアは、あーとかうーとか言いながら少しの葛藤の後、物欲が勝利したらしい。
「分かった。オレは何をすればいい?」
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上の階の掃除をブエルとリオネルに任せ、俺は後ろにサタナキアとバティを連れて砦の地下へと向かう。
この世界の人間の習性なのかなんなのか知らんが、こういう良くない実験をする時は大抵が地下で行われるモノだからだ。
現に、この砦の上と下の階での内装が全然違う。
「・・・如何にもな実験施設だな?」
「あ、レナちゃんもそう思った?」