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やらなきゃダメ?と言いたげな表情で鳴くナナシ。
耳と尻尾も下げて、上目遣いなその姿は可愛いけど、俺は心を鬼にして明日は今日より楽な内容だから大丈夫だと言い聞かせた。
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翌日、ナナシの訓練のために再び訓練場にへと来た。
俺とナナシを結界で囲い、彼女が遠くへ逃げ出せないようにする。
結界の範囲としては畳二畳分くらいだ。
「くぅん・・・」
「・・・大丈夫だ。ナナシ、今日は少しだけお前の能力を解放するだけ」
「ゔぅ~」
「・・・嫌がってもダメ。これはお前が生きていくのに必要な事」
耳を伏せ、嫌だと唸るナナシの頭を撫でながら苦笑する。
昨日のがよっぽどトラウマになっているらしい・・・
しくじったな・・・
いや、ホント。
マジで。




