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― 第3柱の間 ―
予定が狂い、暇を持て余した俺はナナシとお茶をしていた。
書類を片手に、美味しそうにお菓子を頬張るナナシを眺めながらマルバスが来るのを待つ。
・・・この書類、書いたのバティか?
誤字があるじゃねぇか!
偶々手にした書類に誤字を発見し、製作者の名前を見れば矢張りバティストだった。
思わず頭を抱え、大きな溜息が出る。
パチンと一度指を鳴らし、魔法で誤字を修正した。
「くぅん?」
「・・・イヤ、何でもない。書類に誤字を見つけただけだ。もう修正した」
どうしたの?と問うように首を傾げ乍ら鳴くナナシ。
ソレに何でもないと苦笑しながら答えつつ、彼女の頭を撫でた。
バティは後で説教だ・・・。