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扉を開けて顔を見せたのは、矢張りアガレスだった。
頭に「 ? 」を浮かべ、彼は俺達に問う。
「あれー?ロア様じゃん・・・噂の新しい部下さんも連れて第1柱の間に来るなんて、どしたんすかー?」
「アガレス・・・マルバスは今居るか?」
「マル兄ぃならさっき、レナルド様のトコに用事があるーって言ってましたけど?」
「第2柱の間か・・・ココから遠いな・・・」
「『柱の間』は、仕事内容で部屋割り決まってるから、番号順に配置されて無いですしねー。帰ってきたら第3柱の間に送りましょーか?」
「ロア様、お仕事忙しそうだしー?此処で待ってる暇も、第2の間に向かって入れ違いになっても困るでしょー?」と軽く首を傾げて言うアガレス。
どれも事実である為に、俺は溜息を吐くと共に頷いた。
「悪いがそうしてくれると助かる。コイツ…ナナシの封印魔道具で相談したい事が出来たと伝えといてくれ。俺は今日はもう第3柱の間にずっといると・・・」
「はーい。りょーかいですー。おれからマル兄ぃに伝えときますねー」
「頼んだ。ナナシ、行くぞ」
笑顔で手を振って見送ってくれるアガレスに手を振り返すナナシの反対の手を引き、自分のテリトリーに戻った。