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そう言って、ベルゼビュート様は視線だけをナナシに向けた。
「そうですよ。ただ、『飼い狼』ではなく、『部下』(予定)です」
「ほうほう。随分と可愛らしいお嬢さんですね・・・私が貰っても?」
コテンと首を傾げて問う彼に、ナナシは何かを感じ取ったらしく俺の背に隠れる。
「駄目です。ベルゼビュート様、俺の話聞いてました?彼女は『俺の』部下です」
「聞いてますよ。だから『貰っても?』って、アガリアレプトに聞いたんじゃないですか」
「・・・それで俺が『はい、良いですよ』って答えるとでも思ったんですか?」
「いや、勢いでOKくれないかな?とは思いました」
誰がやるか!阿保か!!
「『誰がやるか!』って顔してますね」
「当然です。彼女は俺が連れてきたんですから」
「アガリアレプトって、意外と面倒見が良いですよね・・・」
「・・・魔王様と育てば誰でもそうなります・・・」
「そう言えば、アガリアレプトって言いにくな・・・短くしても?」
いや、急に何の話だよ?!




