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転移の魔法陣が展開され、魔王補佐αのエタン・ベルゼビュート様が現れた。
「こんにちは。アガリアレプト」
ニッコリと万人受けしそうな笑顔を浮かべて俺に挨拶をしてきた。
が、俺は知っている。
この人は見た目通りの優しい悪魔では無い事を・・・。
いや、悪魔に優しいもクソも無いのだが、この悪魔は何と言うか・・・そう、言葉が悪いのである。
「お疲れ様です。ベルゼビュート様、どうされました?もしや、また魔王様が何か?」
少し警戒気味にそう尋ねれば、彼は笑顔を崩さずに言った。
「いえ、魔王様は現在、クロードに見張られながらちゃんと執務をこなしていますよ?私はアガリアレプトが飼い狼の躾けをしていると聞いたので少々見学に・・・」
「・・・飼い狼に、躾けって・・・残念ながら今日は中止ですよ。少し必要なものが出来たのでコレからマルバスの元へ行くところです」
彼の発言から分かる通り、関わると厄介なことになりそうなので早々にこの場を立ち去る旨を告げる。
「そうなんですか?それは残念です・・・それで、彼女が君の飼い狼ですか?」




