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「慣れりゃ出来るようになる。別に一回で出来るようになる必要はない。出来るまで付き合ってやるから心配すんな」
この訓練をするにあたり、マルバスに指輪へ新しいを機能を付けて貰った。
見た目は変わらないが、この訓練するのに最適な機能である。
地下の音をも聞き取るナナシの能力を通常の聴力にまで抑えられるように改良された。
そして、それは俺の込める魔力量によって封印の段階が踏めるのである。
分かりやすく言うのであれば、音のボリュームを変えるように0~10迄の封印段階があるのだ。
因みに0は封印解除状態。
そこから徐々に聞こえる範囲を狭めていき、10が通常、つまり俺達が聞いている世界と同じになるわけだ。
「・・・ナナシ、準備はいいか?」
「わふ(ウ ン)・・・」
そっと指輪に手を添えてナナシに最終確認を取れば、彼女は少し緊張気味に頷く。
大丈夫と言う代わりに、彼女の頭を撫でてから指輪の封印を0に解いた。
「っ!!」
ビクリとナナシの肩が大きく揺れる。