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「使い方としてはザっとこんなもんだな。後は繰り返し練習して慣れるしかない・・・出来そうか?」
「ワン!(ガン バ ル!)」
ブンブンと尻尾を振ってやる気を見せてくれるナナシ。
「分かった分かった。落ち着け。お前のやる気は十分伝わった」
「くぅん?」
コテンと首を傾げるナナシは、滅茶苦茶可愛い。
「くっ・・・可愛く首を傾げやがって・・・じゃない!」
1人でツッコミを入れつつ緩みそうになる己の表情を元に戻した。
危うく、俺も吞まれるとこだった・・・ナナシ、恐るべし。
「・・・んじゃ、封印解くぞ。恐らく、封印を解けば一気に色んな音や匂いがお前に伝わると思う。驚くかもしれないが、一先ずはソレに慣れよう。ナナシが限界だと感じた時に指輪の封印を戻してやるから、そしたらお前が要らないと思った音は遮断しろ・・・お前が必要だと思った音だけに集中すれば自然と要らない音は遮断されるはずだ」
「きゅぅん(デ、キ ル カナ)・・・?」




