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魔王様に会議の結果を伝えに行った結果、ナナシの初任務が決まった。
つまり、俺の仕事が更に増えたという事である。
「・・・さて、お前の初仕事が決まったワケだが・・・その前に、ナナシにはやって貰わないとならんことがある」
「 ? 」
「悪魔になった時に習得したであろう、お前の悪魔としての能力制御だ」
何時もは誰かしらが居る訓練場を貸し切り、俺はナナシと二人だけで対峙する。
「いいか、俺はコレからお前のその指輪の封印を解く。封印を解くが、先ずナナシはそのまま人型を保て・・・」
出来るか?と彼女の顔を覗き込めば、ナナシはペタンと耳と尻尾を下に下げた。
つまり、自信が無いのだろう。
「・・・大丈夫だ。失敗してもいい。俺は怒らない」
そっとナナシの頭を撫でて言い聞かせる。
失敗しても俺は怒ったりしないと。




