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俺の剣を抜いた脅しが効いたのか、魔王様は何故かその場で正座をしつつ言葉を続けた。
「さっき、ロア自身が言ってたようにぃ、悪魔として生きることになるナナシには、自分の能力の制御は出来て欲しいんだぁ・・・この間のロアの拷問事件で思い知ったんよ~・・・」
「その言い方だと俺が拷問されたみたいに聞こえるので辞めて下さい・・・ですが、魔王様の考えは理解しました・・・」
「流石の俺様も、幾らナナシの為とは言え、拷問部屋使う度に第三柱の間に三重結界張るのは一寸ねぇ・・・」
「御尤も・・・俺達も何時でも城内に居るわけでは無いですし」
「でしょぉ~?ソレにぃ、お外に出すなら俺様かロアと一緒の方が良いでしょ~?でも、マクスウェルの王を潰しに行く時なら兎も角ぅ、情報収集の為だけに俺様が城を離れたらさぁ?」
そこで一旦言葉を切った魔王様はチラリとアスタロト様に視線を向ける。
「当然、全力で防止させて頂きますよ?当たり前でしょう!」
「だってさ・・・」
笑顔で魔王様を威圧するアスタロト様に、魔王様はそう俺に言って苦笑した。
「でしょうね・・・分かりました。勇者達の情報収集は俺とナナシで行います。後、念のためにバティストも同行させましょう・・・」




