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家族会議②

前の文章で辻褄の合わない箇所があったので修正しています。内容には差し障りは無いかと思います。

 マイヤー家食堂に一同集結中。本日のおやつは料理長(一人しかいないが)ライナルト作のケーゼトルテ(チーズケーキ)。紅茶はライナルトの嫁、エルゼが配っている。


 既に一人食していたリーリエは今は優雅に食べているが、さっきは二口で食べて、さすがにエルゼに怒られた。


 「リーリエ、詳しく話してくれるかい?」

 「リーリエ、()()のことを父上に詳しく話して差し上げて」


 フランクの言葉に重ねてルドルフが言う。これは前世云々の話は省いて話せという事なのだろう。

 リーリエはングっと喉を鳴らして慌てて紅茶を飲んだ。エルゼに険しい顔をされ、さすがの母上も頭を押さえている…小言を言われないうちにとっとと話を変えてしまおう。


 「えーっと、お兄様と学校に行って、人がいっぱいいて」

 「そこら辺は飛ばしていいかな?」

 「ローゼとクリューと一緒の会場に入れて良かったねって言って」

 「…」

 「神官さんがキラキラの粉を撒いたらなんかキラキラがすごく増えて、最初はローゼかクリューの方だと思ったからつい『私の方にもおいで~』みたいな事を言ったらすっごく集まって来ちゃった。」


 てへってな感じである。


 「………わからん…」

 「えーっとですね、僕が見たときにはリーリエが光に包まれていくのが見えて…」

 「ん?なんでルドルフが会場にいたんだ?」

 「会場の準備を手伝ったんですよ。その報酬代わりにリーリエの召喚式を見てもいいと許可を貰ったので。ですが、僕から言い出した事ではありませんよ?椅子30個作らされましたから。」


 相変わらず悔しそうな顔をする両親だが、文句はぐっと堪えているようだ。


 「…リーリエが光に包まれた時、連れて行かれる様な気がしたんです…そんなの聞いた事も無かったですし、もちろん僕の時にも見た事も無かったので、非常事態だと思ったらリーリエの元に走っていました。」


 フンっと拗ねたようにルドルフが言う。いつもは年齢以上にしっかりしているのに、そんなお兄様をわたしが心配させてしまったのだとリーリエは思う。


 『ちがうよー、マイヤーのこ。ぼくたちつれていかないよ。ついてきたんだから』

 『マイヤーのこちがう。こっちるどるふ、こっちりーりえ。』

 「お、おに、新しい子、出た!」

 『あたらしいこちがう。ふらんくの』

 「どうしたの?リーリエ。」


 ふらんく…父の妖精らしい…母の妖精は居るのか?と母をじっとみる。じー…


 「リーリエ、寄り目になってる。」


 おっと、いかん。


 ルドルフに注意され、しれっと澄ました顔をするがもうバッチリ見られている。


 「えーと、リーリエ、まだ精霊は見えるのかい?」

 「あ、それ、話して良いんだ。」


 全く隠す素振りを見せていないのにそんな事を言ってみる。元々隠し事が出来無いのだからしかたがないが。


 「えーっとね、精霊ってみんな見えてないでしょ?見えるやつは妖精になるんだって。だから、お父様のは妖精が一人。お母様のはわからない。らん?ライナルトのそばに赤い妖精がいる?」

 「嬢ちゃんよく分かったな!俺はほんの少し火魔法を使えるんだ。」

 『らいなるとしょぼしょぼだから…』


 感心したように答えるライナルトと、多分お父様の妖精が同時に喋る。

 ちなみに妖精の声はリーリエにしか聞こえないから妖精が喋るのと人間が喋るのはガッツリ被っている。一斉に喋られると聞きづらくてしょうがない。だから多少寄り目になるもの仕方がないのだ。


 「ライナルトはしょぼしょぼだって。」


 ライナルトはショボーンと落ち込んだ。


 『いじめないであげて…』

 『だからしょぼしょぼなんだ。もっとやる気をだすんだ!』

 「お父様の妖精は意外と熱血みたい。やる気出せって」


 今度はフランクが膝をつく。フランクの事を言った訳ではないのだが、きっと早退した事に罪悪感があるのだろう。

 リーリエは放置する事にした。


 「私のはえーと…いち、に、さん…はち?あ?数は関係ないって。」

 「え?八属性??」

 「いや、数は関係無いらしいし…」

 「「「「「ルドルフ、通訳」」」」」


 ルドルフはフゥッとため息をついてからリーリエに向き直った。


 「リーリエは妖精さんが見えていて、意思疏通…お話が出来るんだね?」

 「うん。」


 イシソツウくらいリーリエでも知ってるもんと思いつつ答える。


 「うん。お互い(?)口に出して通じているって事かな?」


 あ!テレパシーみたいにって事じゃなくて、口に出してって事か!…って、この人『うん。』って言ったよ…むしろこの人がテレパス⁉︎


 「はい、しょうもない事考えなくて良いから。」

 『るどるふどんびきー』


 うーん、薄ら寒さを感じなくも無いがまあいいか!


 「えーとね、多分。うん、もっと仲良くなったら考えるだけで伝える事も出来る様になるって。でも今は無理みたい。」

 「じゃ、しばらくは外では妖精さんと喋らない事と、人の妖精さんを見ない事。」

 

 やっぱり見られていたようだ。


 「それから、学校に行くためには属性を調べないといけませんね。改めて神殿に行くか、うまく理由をつけて神官に来てもらうか…ちなみにリーリエ、側にいる妖精さんにリーリエの使える属性を聞けるかな?」

 「うん。えーと、土と火?で緑ってなんだ?き?あ、木ね。あと…」


 聖属性がいた。これはアホなリーリエでもわかるダメなやつだ。マズイマズイマズイ…


 「リーリエにくっつこうって思ったら、お兄様に止められたから、かわりにお兄様にくっついたって言ってる!」

 『るどるふおこる?』

 「お兄様怒らないよ。」


 水色と緑色の服を着た妖精がショボンとリーリエを見ていたのだ。

お読みいただきありがとうございます(゜∀゜)

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