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家族会議

 「リーリエ!飛び込んで来たって何⁉︎」

 「えー⁉︎」

 「だから、飛び込んで」

 「とり唐揚げ⁉︎」


 …と言う事で馬車での会話は諦めた。しかし、家に着くとまだ時間も早いのに、両親、従者兼御者、コンラート、料理長兼御者兼ガーデナー、ライナルト、侍女兼料理人兼乳母、エルゼが揃って待っていた。ちなみにマイヤー家別宅の使用人全員である。父親は間違いなく早退している…


 ◆◆◆


 フランク・マイヤー(41歳)マイヤー男爵家現当主であるが、普段は文官をしている。妻と妻によく似た息子、娘を愛するパパであるが、なんだか最近息子にパパの楽しみを取られているような気がする…

 今日は可愛い娘の召喚式の日。マイヤー家は土属性の精霊から加護を貰う事が多い。妻のエーリカは水属性なので、土属性じゃ無くても水属性でももう、なんなら妖精のような可愛さ属性※でも構わない

 ※勿論ありません


 「リーリエ、お帰り。」

 「リーリエ、疲れたでしょう?」

 「ただいま。疲れてないよ。楽しい?不思議な感じだった。」


 ニコニコと答えるリーリエ。


 「で、お嬢、なんか貰いましたか?やっぱ土?」


 私より先に聞くな!


 コンラートをジロリと睨む。


 「ずいぶん早かったけど、今年は参加が少なかったの?リーリエの加護はなんなのかしら?」

 「!か、加護は絶対に無いといけない訳じゃ無いんだぞ?」

 

 加護を受けれなかったから早かったのかもしれないと焦る。貴族だと言っても必ず加護を受けれる訳ではない。そんなものなくてもリーリエは可愛い加護が…※

 ※ウザいので以下略。


 「えーと、多分何か貰ったんだけど、何かわからないの。ん?何?えーと、人?あ、火?で、あなたがみず?ん?ひかり?ふーん。なんか全員居るみたい。」

 「ぜんいん…いる?」


 娘が何かと交信していた…そして全員いるとはこれいかに?


 「リーリエちゃん、加護の確認して貰ってないの?」

 「あぁ。ちょっとしたアクシデントがあってね。」


 コンラートの問いにリーリエではなくルドルフが答える。


 「あー、リーリエ、パパは最近の召喚式はよくわからないのだけど、何が全員いてどうしてルドルフが先に答える?」

 「僕もその場にいたから。」


 あさっての方向を見ながら答えるルドルフ。朝、コンラートと組んで父親を馬車の中に放り込んだ我が息子…


 「なんでだ!どうしてなんだ!パパは見学できないのにどうしてお前だけ見学出来るんだ!」

 「ルドルフだけズルい!だからママも行くって言ったのに!」

 「だから、いろいろあったんだって。ちょ、ライナルト、リーリエを連れて行かないでよ。」

 「だって嬢ちゃん疲れたもんなぁ。さあ、嬢ちゃんの好きなケーゼトルテ作って置いてるから食べな。あいつらほっといていいからよ。」

 「そうね〜、リーリエちゃん、まず着替えてきましょうね」

 「「「あ、ちょ、ライナルト、エルゼ…」」」


 二人に見事に連れて行かれた…


 「とにかく落ち着きましょうて。ほら、フランク様もそんな怖い顔してたらお嬢に嫌われてますよ〜。」

 「ふっ!くっ…リーリエ、待つ…」


 フッ…


 何故か勝った気でいるルドルフ。いや、これはこれで気持ちが良いのだが、それどころではないのだ。

 そして不本意だが父の協力もいる事態なのだ。


 「父上、今日の召喚式でのアクシデントなのですが、実はリーリエ、複数の加護を受けたようなんです。」

 「複数?確認せずか?…確認出来ない事態か?」

 「はい。目視なのですが、リーリエの周りに眩しいくらいの光が集まって、多分精霊が群がっていたのでは無いかと。」

 「うちの子かわいいからなぁ…」

 「はい。神官は慌てていたようなのですが、止める様子が無かったので多分非常事態なんじゃ無いかと思いました。」

 「複数の加護って…嬢ちゃん縁談舞い込みまくり…はい、スミマセンデジタ…」


 親バカ×2+兄バカ=最強…もうちょっとで消される所でした。(コンラート談)


 「今ここにいると言う事は、取り敢えずは収まったんだな?」

 「収まったと言うか…それから父上もご覧になったと思うのですが、どうやらリーリエ、精霊と話をしていたみたいです。」

 「なん…だと…?」


 以下かわいいかよと話が続くのでスキップ。


 短く纏めると、


 ①多数の加護を受けたようだ※珍しい加護もあるかもしれない

 ②精霊が見えて、話ができるようだ

 ③神殿にはバレている

 ④高位貴族から婚約の申し込みが殺到するかもしれない


 と言う事だ。

 

 「属性は魔石に触れたら隠しようがあるまい。」

 「精霊の話はもう少しリーリエに確認してみる事にします。神殿は…下っ端神官ぽかったので、もう報告されているでしょうね。」

 「高位貴族からの婚約は…なるべくリーリエの負担にならない相手を早めに探さねばならないかもしれないな…」


 なんだかんだ言ってもリーリエの幸せを一番に考えたいのである。

お読みいただきありがとうございます(゜∀゜)


初ポイントいただきました!ブックマークも励みになっています。ありがとうございます<(_ _)>

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